下記をご確認の上、研究対象者として研究に参加することをご検討ください。同意いただける場合に、検査の申込みにお進みください。
研究内容は、「研究内容について」のページをご覧ください。
研究への参加のお願いと研究の説明および同意について
富山大学学術研究部医学系母性看護学 教授 長谷川ともみ
富山大学では、ヘルペス感染症と診断を受けた方を対象として、セクシャルヘルス(性の健康)と安全な育児のためのHSV無症候性排泄の解明と予防対策の作成について検討する研究を行っています。以下の研究に関する説明をよく読み、研究対象者としてこの研究に参加することをご検討ください。
1. 研究の名称及び研究機関の長の許可
- (1) 研究の名称
セクシャルヘルスと安全な育児のためのHSV無症候性排泄の解明と予防対策の作成 - (2) 倫理審査員会の承認及び研究機関の長の許可
この研究は、富山大学臨床・疫学研究等に関する倫理審査委員会の承認及び富山大学長の許可を得て実施しています。
2. 研究機関及び研究責任者
研究責任者:富山大学学術研究部医学系母性看護学・教授・長谷川ともみ
共同研究者:北陸大学薬学部生命薬学・教授・大黒徹
3. 研究の目的及び意義
- (1) 研究の目的
日本においては、ヘルペス感染症の血清型別診断が2017年に臨床導入され、検査法は欧米に追随していますが、検査可能となるまでは初感染から1~2ヶ月を要し、発症してすぐの抗体検査は勧められないため、発症時の的確なヘルペス感染症の型(Ⅰ型かⅡ型か)は不明であり、一般的には、診察した臨床症状や感染したと考えられる経路の問診を総合して医師の診断がなされます。その間の皆様のご心労は、大変なものであることと考えます。
今回、科学研究費により、自己検体採取法(綿棒で擦る)を用いて、ヘルペスウイルスの定量、型別判定の検査を受けたいという方に対して、匿名で検査を受ける研究の準備が整いました。重要他者(家族や周りの重要な人々)への感染を気にかけたり、ヘルペスの型が知りたいという皆様のお力になるようにReal-time PCR法にて検査を行い、ヘルペスウイルスの量や型をお調べし、結果の返却とメールカウンセリングを行います。
この研究を通して、ヘルペスウイルス感染症における症候性(症状がある)、無症候性排泄(症状がないときのウイルスの排泄)の実態を調査し、皆様のセクシュアル・ヘルスの向上と安心した育児を支援するための予防対策をHP上で公開かつ関連学会に提案することが本研究の目的です。 - (2) 研究の意義
ヘルペス感染症にかかった人が他者への感染を予防し、また、ご自身の再発頻度も少なくする方法として、性器ヘルペス再発抑制療法というバラシクロビルを毎日一錠ずつ服用する治療法がありますが、これを受けるには、年に6回以上の再発を確認することが保険適応上必要であり、治療の実施まで時間を要します。したがって、このHPでの相談内容にあるように、依然として、ヘルペス感染症発症時において皆さんの抑うつ、QOLの低下が起りやすい状況です。中には、自殺企図される方もいらっしゃいます。
また、性器ヘルペス再発抑制療法を行っていても、産後、授乳期間における再発抑制療法の実施は、医師によって実施する場合も中止する場合もあり、そのような方は、育児中に無症候性排泄による母子水平感染に対する極度の不安を持ち、安心して育児が行えないとの訴えの相談もあります。
今回この研究を通して、皆様からお預かりした検体のウイルス遺伝子によるウイルスの定量、型別検査(HSV-1では717塩基、HSV-2では2,097塩基)をReal-time PCR法で行い、結果を返却することにより、検査希望者の無症候性排泄に対する不安のおよび症状のセルフマネジメントに貢献できることを期待しています。また、性器ヘルペス抑制療法を行っている方の無症候性排泄の程度を解明することにより、本邦でも数万人が治療を受けている性器ヘルペス抑制療法中の無症候性排泄に関する予防対策を策定することが科学的に可能となると考えられます。
4. 研究の方法及び期間
- (1) 研究の方法
検査を希望者される方(性別問わず)は、この文章の末にある「本研究に同意する」をクリックした後、開かれた検体希望フォームに必要事項を記入してください。入力項目には、ハンドルネーム(ホームページ上で用いる仮の名前またはニックネーム)、氏名および検体採取用綿棒、問診票を送付するあて先の住所等の個人情報を含みますが、検体採取用綿棒、問診票の送付のみに使用し、個人情報のデータはサーバーには保管しません。その検体希望フォームの内容を、同意書といたします。
なお、このHPで使用するE-mailの受信には、セキュリティレベルが高い富山大学推奨のMozilla Thunderbirdをアプリケーションとして使用しています。G-mailなどはセキュリティ上届かない場合があるため、検査依頼のE-mailを出して2日後にも返信のメールが届かない場合には、FAXにてハンドルネーム、氏名、綿棒送付先住所を送信してください。
ご希望の場所に、郵送で綿棒が到着します。綿棒・問診票・返送用の宅急便着払い伝票は、2セット入っておりますので、綿棒は冷所保存してください。冷蔵庫に入れる必要はありませんが、比較的温度が一定に保たれていることが必要です。綿棒を用いて、患部または、感染が広がっているのではないかとご心配な個所を擦ってください。
検体を採取されましたらしっかりとキャップを閉め、ハンドルネーム、綿棒は何時、どこを擦ったものか、現在の治療状況など簡単な問診票に記入願います。その綿棒と問診票を着払いの宅急便伝票を用いて、富山大学学術研究部医学系母性看護学・教授・長谷川ともみまで、返送ください。
皆様の検体が長谷川まで到着しましたら、ハンドルネームと検体番号のみを用いて研究用の対応表を作成しますので、氏名・住所はその時点で削除いたします。皆様の個人情報は実験担当者にも伝達、公開されることはございません。
検体は、番号のみを記したものを北陸大学薬学部生命薬学・教授・大黒徹研究室に輸送され、Real-time PCR法を用いて、ヘルぺスウイルスの量と、型別検査を行います。
得られた結果は、ハンドルネームのメールアドレス先に返却しますので、メールアドレスの管理にはご注意ください。 - (2) 研究の期間
2022年3月31日まで
5. 研究対象者として選定された理由
この研究では、下記の基準の全てを満たす方を研究対象者として選定しています。
- ①ほかの医療機関ですでにヘルペス感染が診断されている方
- ②16歳以上で、この文章の意味が十分に理解できる方
- ③自殺の可能性のない方
6. 研究対象者に生じることが予測されるリスク及び利益
- (1) 研究対象者に予測されるリスク
万が一、研究用のパーソナルコンピューターがウイルス感染した場合、メールアドレスが盗用される可能性があります。(最新のウイルス検索ソフトにて毎日ウイルスチェックを行い、それらを防止します) - (2) 研究対象者に予測される利益
本研究での検査結果は、あくまでも実験室内の研究データであるため、医学的診断を行うものではありません。しかし、ご本人が自己責任のもとに医療機関に提示し、主治医が診断の材料に加えることは可能です。
経済的な負担がなく、最新のPCR法によるヘルペスウイルスの存在の有無とヘルペスの型が分かることにより、予防・治療に対して、有効な方法が見いだされる可能性があります。フォローアップカウンセリングを受けることにより、日常生活上の保健行動が保証されることが期待できます。
7. 同意の撤回の自由について
研究が実施又は継続されることに同意した場合であっても、いつでもこれを撤回できます。その際には、ハンドルネームを用いてその旨を「同意の撤回について」からお知らせください。これにより、速やかに研究参加は撤回できます。撤回されると、研究者から一両日中に検査中止のメールが届きます。皆様の自由意思による研究参加ですので、検査を中止しても、メールカウンセリングは引き続き受けることも中止することもできます。
8. 不同意又は同意撤回により不利益が生じないこと
研究が実施又は継続されることに同意しないこと又は同意を撤回することによってあなたが不利益な取り扱いを受けることを全くありません。
9. 研究に関する情報公開の方法
この研究は、公開データベース[ データベース名、URL ]に登録し、公表しています。また、研究成果は、日本性感染症学会、日本性感染症学会誌、Sexually Transmitted Disease、日本母性衛生学会誌、日本看護科学学会、その他学術雑誌において発表する予定です。また、このHP上にも公開いたします。
10. 研究計画書その他の資料の閲覧について
研究対象者、親族等関係者の希望により、他の研究対象者の個人情報の保護及び当該研究の独創性の確保に支障がない範囲内で研究計画書等の研究に関する資料を開示いたします。
11. 個人情報の取り扱い
この研究で保有する個人情報は、個人情報に関する法律、その他の個人情報の取り扱いに関する適用規制及び学内規程に従い適切に取り扱います。
研究で取得するあなたの情報は、氏名、性別、住所など個人識別が可能な項目が削除され、個人とは無関係な識別番号が付与されることで匿名化されます。匿名化された情報等は研究者のみがアクセス出来る場所に安全に保管された上で研究に用いられます。
雑誌、学会等で研究結果を公表する際は、研究対象者が特定される情報を用いません。
12. 試料・情報の保管及び廃棄の方法
- (1) 試料・情報の保管
試料:この研究で取得するあなたの試料は、研究終了後5年間、学内において規程に従い匿名化の状態で適切に保管します。
情報:この研究で取得するあなたに関する情報は、学内規程に従い適切なセキュリティ対策を講じた上で研究終了後少なくとも5年間、学内で保管します。 - (2) 試料・情報の廃棄の方法
廃棄する場合は、匿名化の状態で再生利用不可能な措置を取り、安全に行います。
13. 研究機関及び研究者の研究に係る利益相反に関する状況
この研究の資金源は、日本学術振興会科学研究費基盤C、課題番号18K10379(科学研究費)より拠出されます。この研究は、研究者が自主的に実施するものであり、他の企業や組織は、この研究に関与しません。また、この研究の対象となる医薬品の関連企業と研究者との間に申告すべき関係はありません。
14. 研究対象者及びその関係者からの相談等への対応
この研究に関する質問や相談がある場合は、研究責任者までご連絡ください。迅速に対応いたします。
●研究責任者
富山大学学術研究部医学系母性看護学・教授・長谷川ともみ
電話番号 076-434-7430(相談コーナーからのご連絡も受け付けております)
15. 研究対象者の経済的負担又は謝礼について
研究参加自体に対する経済的負担、謝礼はありません。
16. 他の治療方法に関する事項
この研究においては、該当しません。
17. 研究の実施に伴い得られる可能性のある重要な知見の取り扱い
この研究においては、該当しません。
18. 研究によって生じた健康被害に対する補償の有無及びその内容
この研究においては、該当しません。
19. 試料・情報の将来の研究への利用の可能性
この研究においては、該当しません。研究目的にのみ利用します。
20. 研究対象者に関する試料・情報の閲覧について
研究データの正確性を保つことや、研究参加者の保護などを目的として適用規制に基づき実施されるモニタリング、監査、倫理審査委員会による調査時に、守秘義務を有している担当者に対して個人情報を開示する場合があります。
21. 参加される場合の同意の意思表明について
この研究への参加を希望する場合は、下記「本研究に同意する」のチェックの上「検査を申込む」へお進みください。疑問点があれば必ず研究責任者又は研究担当者に研究に関するどのような内容でも構いませんので質問していただき、研究の内容を十分理解したうえでご同意ください。検査希望フォームに必要事項を記入してください。その検査希望フォームを同意書といたします。
研究の説明文、検査希望フォーム(同意書)の内容は大切に保管しておいてください。