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ご相談事例

ヘルペスの血清診断結果について

おでんさん:2017.7

 

はじめまして。

 ネットや書籍で調べたのですが、よくわからないので相談させてください。先日性病の検査をし、そのうち単純ヘルペス1型と2型のでIgM1.14IgG14.20という結果を受け取りました。これまで過去にヘルペスの症状の発現を経験したことはありません。子どもの頃に水疱瘡に感染しています。

 このような状態で、性行為によってパートナーにヘルペスをうつしてしまうことはあるのでしょうか?

 この検査結果の解釈は、わたしは単純ヘルペスの抗体保持者であるということになるのでしょうか?

 どうぞ教えてください。よろしくお願いします!

 

長谷川:2017.7

 おでんさんへ こんにちは。ご相談ありがとうございます。

  思わぬ結果に驚いていらっしゃることと、胸中お察しします。 教えてほしいのですが、それは病院でなされた検査ですか?どういう検査会社の検査方法でカットオフ値(いくつで陽性とするか)などお分かりになりますか?おそらく、結果のシートに記載されていると思います。 また、性交体験のエピソードや臨床症状(小さいころから口唇ヘルペスがあったなど)も重要な判断材料となりますので、今回、性病の検査をしようと思った経緯などを教えていただければ幸いです。

 

おでんさん:2017.7.

長谷川先生

素早いお返事ありがとうございます。

国外ですが、医療機関で受けた検査です。レポートを添付します。

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長谷川:2017.7

おでんさんへ

 いただいたレポートを読ませていただきました。

 この検査法では、ヘルペスの型(Ⅰ型、Ⅱ型)はわからないですね。

 IgM抗体が弱陽性に出ていますが、これをもってして初感染とは言いがたく、IgGの高さからも、過去に感染していて、現在も無症候に再発しているのではないかと考えられます。Ⅰ型だったらいいですね。ご家族で既往歴のある方もいらっしゃることですし。Ⅰ型であれば、今後はオーラルセックスを控えることにより、パートナーへ感染させない、または感染したとしてもパートナーも口唇ヘルペスになると思います。

 もしも海外に在住されているのであれば、gG ELISA法という検査で型は判別できると考えます。主治医に伺ってみるのも手だと思います。

 日本では血清診断で型を判別する方法はELISA法が中心なので、性交のエピソードと絡め、かつ次回再発してくる場所で型を推測しています*(追記に最新の情報あり)。病巣の抗原検査としては、real-time PCR法が一番早く正確に型も分かるとは思いますが、日本の臨床では、症状で判断するか、Zanck testと呼ばれるその場でぬぐい液を染めて顕微鏡で見る方法や最近ではイムノクロマト法なども出ていますが、型は区別できません。

 角度の異なる問題ともいえますが、パートナーはどんな反応をしめされているのでしょうか?

 訴えるとか、怒っているとか、別れるとか仰っていますか?おでんさんのヘルペスの検査にも関心を持っていますか?

 今回のご質問の意図として、ご自身のことだけをお知りになりたいのでしょうか?

 であれば、この抗体検査をした数週間前に新しい人と性交渉をもっていなければ、おでんさんは、無症候の方で、無症候性排泄を口からしているか、性器からしているかはわからない方であると考えられます。

 結構デリケートな問題なので、誰のためにどこまで知りたいかを教えていただくと上記の回答からチョイスしてまたは詳しくしてご相談に乗ることができるかもしれません。

 

長谷川:2017.10

おでんさんへ 

 お元気ですか?

  その後どうでしょうか。主治医とは話し合われましたか?それともそのままになっていますか。どちらにせよ、近況をお教え願えたらと思います。日本のヘルペスに悩む人には血清抗体価のみの診断での曖昧さは共通してもっていらっしゃると思うので、おでんさんとのやり取りは貴重だと思うのです。 相談の内容はHPにアップしてもよろしいですか? 良いお返事をお待ちしています。

 おでんさん:2017.10. 

 ご連絡ありがとうございます。

 その後それぞれの抗体の検査をしました。結果を今記憶していないのですがアップして構わないですよー!

長谷川:2017.10.

 おでんさんへ 早速お返事いただけて嬉しいです!

 また、検査もおでんさんが望む次のステップに進まれたようで良かったです。 当初より、プレテストの結果は、危惧される点数ではなかったのですが、お時間があれば、相談終了の得点をお教え願えれば幸いです。

  研究にご協力いただき、ありがとうございました!

長谷川追記*

<単純ヘルペスの型別血清診断について>

これまでのELISA法(酵素抗体法:enzyme-linked immunosorbent assay)とは異なり、Ⅰ型とⅡ型に対するIgG抗体をHSV-gG-1とHSV-gG-2抗原を用いて免疫蛍分析装置にて検出する方法(免疫抗体法)(BioPlex)が保険適用になっております。(2017)但し、この方法では、初感染の血清診断には時間を要します(川名、2015)。20日ほどです。多くの病院ではこれら検査を外注すると思いますが、外注先の検査会社によっては導入していないところもありますので、主治医にご相談していただければよろしいと思います。

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